カーボンニュートラルへの取り組み
当社のカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みをご紹介します。
バイオマス原料の利用
これまでエチレンプラントの原料として石油由来原料を使用しておりましたが、2024年6月より一部原料にバイオマス原料の使用を開始しました。当社はISCC PLUS認証*を取得しております。これにより、バイオマス原料を一部使用する製品群・誘導品は、認証制度に基づくマスバランス(物質収支)方式によってバイオマス原料由来の持続可能特性を割り当て、販売することが可能となりました。今後も当社は、持続可能な原料の社会での実用化、ひいては、カーボンニュートラルに向けた循環型社会形成に貢献してまいります。
*ISCC PLUS認証制度:バイオマスや再生可能原料、製品などについて持続可能性が保たれ、サプライチェーン全体で適切に管理されているかを担保する国際的な認証制度。
CCS事業への取り組み
当社は8社共同で、JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)の令和6年度「先進的CCS*事業に係る設計作業等」に関する委託調査業務を受託しました。当社は、大分コンビナートで排出されるCO2を分離・回収、CO2貯留サイトでの貯留および輸送などのバリューチェーンにおいて、それぞれで必要な技術的要件の検証およびコストの概算などの検討を進めます。
*Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素(CO2)の回収・貯留
廃プラスチックの原料化
当社は、関係企業・大学と共に、九州で資源循環型社会モデル構築を目指す「知の拠点」を設立しました。本拠点は九州地域において産業界や自治体から排出されるさまざまな廃棄物や未利用資源を活用する九州地区初の地産地消型プロセスを確立するため、課題を抽出・整理し、解決するための「協議の場」とすることを目的としています。本拠点は、環境省の「令和6年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業(委託)」の採択を受けました。当事業への取り組みにより、九州地区の廃プラスチックを収集・再資源化し、地産地消型プロセスを通じて基礎化学製品に転換することで、資源循環型社会九州モデルの構築と2050年のカーボンニュートラル実現に貢献します。
廃プラスチックを基礎化学製品に転換することで、石油代替資源として活用し、プラスチックに戻すことが可能です
研究開発
大分で培ったPCP/MOF技術と触媒技術とを組み合わせることで、工場から排出されるガスからのCO2の分離・回収および回収したCO2を化学品に変換する技術の開発を行っています。
本取り組みは、日本製鉄株式会社とともにNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」に「革新的分離剤による低濃度CO2分離システムの開発」として採択されました*。本プロジェクトを通じて、CO2分離回収プラント事業および分離剤事業の創出・拡大に加え、化石由来資源に依存しない、CO2を活用した化学品事業のビジネスモデルを創出し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
*ニュースリリース:昭和電工と日本製鉄、6つの国立大学と連携し、工場排出ガスに含まれる低濃度CO2の分離回収技術開発を本格始動
CO2を分離・回収して化学品に変換するプロセス